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漕艇部
漕艇部がまたもや全国の舞台で部の歴史を塗り替える快挙を成し遂げた。
2022 年 5 月 12 日(木)~15 日(日)、東京の「海の森水上競技場」にて3年ぶりに有観客で行われた、第 100 回全日本選手権にて、男子ペアが大阪大学初の全日本選手権2年連続入賞(第 6 位)、男子シングルスカルでも大阪大学初となる決勝(Final C) へ進出したのだ。
本大会は、「全日本」の名の通り、学生、社会人合わせて 70 もの団体が参加する国内最高峰の大会だ。試合を終えた、男子ペアの大藪選手(工学部応用理工学科4年)・柏原選手(基礎工学部電子物理科学科4年)、男子シングルスカル山本選手(基礎工学研究科物質創成専攻M2)に、『阪スポ』編集部が話を聞いた。
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男子ペア6位入賞 大藪選手・柏原選手
1人が2.5Kg前後のオールを1本ずつ持ち、2000mを漕ぐペア。予選では1着のチームのみが決勝進出の権利を得られるが、大藪選手・柏原選手ペアは惜しくも2着。敗者復活戦を経て決勝戦へ駒を進め、社会人の強豪チームも犇めく中で、2年連続の全日本選手権入賞という素晴らしい結果を残した。
編集部:全日本選手権での2年連続入賞、おめでとうございます!今回の結果を受けての率直なお気持ちをお聞かせください。
大藪選手:2年連続で入賞できたことは嬉しかったですが、今年は学生1位を目標としていたので正直、悔しい気持ちの方が強かったです。海の森水上競技場で初めて漕いだのですが、波や風にうまく対応できず、自分達の満足いく漕ぎができませんでした。また、沢山の社会人になられた先輩方も現地に応援に来てくださったのですが、その方々の前で決勝のレースを勝てていたらと思うと悔しいです。
編集部:この全日本選手権は学生・社会人合わせて70もの団体が参加されたということですが、参加のために、標準記録のような条件はあるのでしょうか?
大藪選手:ペアでエントリーするには、エルゴの2000mタイムトライアルで6分40秒を切る必要がありました。僕が2月の時点で切ってなかったのですが、3月に切れてエントリーすることができました。タイムトライアルの1週間くらい前から不安だらけでしたが、終わった後は嬉しかったです。
編集部:昨年度も入賞されたということで、本大会には自信を持って挑まれたのでしょうか。
大藪選手:冬場に良いトレーニングができて昨年度よりも成長できている手応えはあったし、4月末に行われた西日本選手権でも準優勝(学生1位)だったので、自信を持って大会には挑めました。その分、全日本選手権の結果は悔しかったです。
編集部:阪大漕艇部として、ペアを含め、本大会での2年連続入賞は、大きな目標として据えておられたのでしょうか?
柏原選手:今年は入賞以上のメダル獲得を目標にしていました。
編集部:数あるボート種目の中で「最難」といわれるペアの種目ですが、お二人がこの種目をする上での秘訣のようなものがあれば教えてください。
柏原選手:とにかく2人の漕ぎのイメージを統一し、ただがむしゃらに漕ぐのではなく、お互いの力が一つになるように一体感を持つことが大切だと思います。
編集部:阪大漕艇部としての次の目標をお聞かせいただけますか?
柏原選手:9月に開催される全日本大学選手権で、ペアではなく、4人乗りのフォアで出場しますが、2年連続のA決勝に進出し、メダルを獲得することが目標です。
編集部:大藪選手、柏原選手、ありがとうございました!
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男子シングルスカルで決勝(Final C) へ進出 山本選手
シングルスカルは一人で2000mを漕ぎ抜く。己のフィジカル、技術に加え、強靭な精神力が要求される種目だ。山本選手は東京五輪出場選手、日本代表選手といった国内トップ選手が出場する中、予選、敗者復活戦とレースを経る毎にタイムを上げ、大阪大学として初めて本種目でFinal Cに進む躍進を遂げた。
編集部:大阪大学初となる決勝(Final C) 進出、おめでとうございます!大会に挑まれる前は、どのような心境だったのでしょうか?
山本選手:自分自身、パワーには自信はありましたが技術に難があったため、どれだけ全国で通用するのか不安な気持ちは少なからずありました。しかし、昨年の冬からこの大会で勝ち上がることを目標にやってきており、1つでも上を取りたいという思いが一番強かったです。また昨年のオリンピックと同じ会場で日本代表クラスの選手と競い合うことが出来る最高の舞台だったのでとても楽しみでした。
編集部:今大会では、予選・敗者復活戦を闘い抜き、阪大で初めて本種目で決勝に進出されたとのことでしたが、決勝進出を決めた際のお気持ちをお聞かせください。
山本選手:決勝まで残るというのは一つの大きな目標だったのでとても嬉しかったです。敗者復活戦ではタイム順で決勝進出が決まりました。レース中盤以降、体力的に苦しくなってきてペースを落としたくなりましたが1秒でも早くゴールしようと心掛け耐え抜きました。練習から苦しい時でもペースを維持するようにしておりその結果が決勝進出につながりよかったと思います。
編集部:博士前期課程2年生に在学中で、多忙な研究生活との両立を図っておられるとお聞きしましたが、研究と競技の両立において、工夫していることや苦労していることなどはありますか?
山本選手:研究時間の確保のために練習回数を減らしていますが質をあげようと意識しています。研究室では実験やデスクワークなどでどうしても時間が必要になってしまうので平日夕方の練習は参加せずに研究の時間に充てるようにしています。その代わり平日の早朝や、土日の練習では心拍数を計測するなどして数値を参考に以前よりも肉体的に追い込むように努めています。実際、体力向上は難しいと思っていましたが2年ぶりに体力値のベスト更新にも成功しています。
また、研究とボートの両立をするうえで正直なところ苦しい時もありモチベーションが下がる時もあります。それでも進歩や発見や成果を喜び、できるだけ楽しむようにしています。
編集部:普段の練習スタイルについて教えてください。
山本選手:練習については水上での練習は週に5、6回ほどで毎回2時間程度ボートに乗り、一週間に100kmほど漕いでいます。陸上練習では主にウエイトトレーニングを週に1、2回取り組んでおり艇上での出力を高く維持できるようにしています。
編集部:今後の予定をお聞かせいただけますか?
山本選手:来春からは化学メーカーに技術系職で就職予定であり、9月のインカレで一区切りとしようと思っています。しかしボートが好きなので、さらに自分自身にまだまだ選手としてレベルアップできると感じています。そのためチャンスがあればクラブチームなどで、ぜひ続けたいです。
編集部:最後に一言、お願いいたします!
山本選手:今回、決勝にたどり着けたのは日々の監督、コーチからの丁寧なご指導やマネージャーからの日々の栄養管理をはじめとする様々なサポートがあったからです。そして、共に厳しい練習に取り組む仲間がいなければ苦しい練習には耐えられなかったと思います。また、OB、OGなどたくさんの方々の応援は心の支えになりました。本当に私は周りの人々に恵まれていて感謝してもしきれないです。
編集部:山本選手、ありがとうございました!
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漕艇部は6月に行われた阪名戦でも、男子対校エイト・女子対校ダブルともに勝利を収めており、勢いに乗っている。9月に行われる全日本選手権での活躍にも期待がかかる。