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学内連絡バス25周年を迎える!🚌

2023.05.09
 まちかねっ!編集部
みなさん、こんにちは。「まちかねっ!」編集部のIです。
阪大生のみなさんには通称“再履バス”でおなじみの学内連絡バス。1998年に運行が開始され今年で25周年を迎えました。今回は学内連絡バスをこよなく愛する再履バス同好会(以下、「同好会」という。)の皆さんが、4月13日に25周年をお祝いする記念行事を挙行されると伺い、まちかねっ!編集部が取材してきました!
総合図書館前バス停
記念行事は4月13日(木)早朝に豊中キャンパス総合図書館前のバス停で行われました。同好会代表の夏目琢磨さん(人文学研究科博士前期課程1年)によると、25年前の4月13日8:00に学内連絡バスの始発便が運行されたそうで、この日に併せて企画されました。

当日7:30頃、編集部が総合図書館前バス停に向かうと、既にバスに乗車する方々に特製クリアフォルダに入った再履バス25周年記念パンフレットを次々に配布していました。
再履バス25周年記念パンフレット
8:00発のバスの出発前にはセレモニーが行われ、阪急バスの運転士さんなどをお迎えして感謝の言葉とともに花束が贈呈された後、記念撮影が行われました。同好会の皆さんの学内連絡バスへの深い愛情がひしひしと伝わる心温まる記念行事でした。
記念行事終了後、代表の夏目琢磨さんにお話を伺いました。
編集部I:本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます!25周年を迎えたわけですが、どのような思いですか?
再履バス同好会代表の夏目琢磨さん
夏目さん:25年間、運行に関わったすべての人に対して感謝がこみ上げる思いです。学内連絡バスは1998年、学内バスの「復活」(かつて存在していたが廃止されていた)に向けて熱心な運動を展開した学生達と、声を拾い上げ「学長裁定経費」から費用を拠出する決断をした岸本忠三元総長(当時)から始まります。そして当初は試験的な「復活」であった学内連絡バスを大学にとって必要なものと認め、固定の予算を付け、増便やバス停の設備更新など改良を続けてきた大学職員の皆さまの努力があってこそ、現在の学内連絡バスのありがたさを享受できていると考えています。
編集部I:岸本忠三元総長をはじめ多くの学内関係者の努力があって今の学内連絡バスがあるのですね。
夏目さん:また学内連絡バスは25年の間、死亡事故のような重大事故を起こしていないと聞いています。キャンパスにはバスと自転車や歩行者が入り乱れる場所があり、加えて車内は運転操作がしにくいほど満員であるにも関わらず、大きな事故なく運行を続けることができているのは、ひとえに阪急バスの乗務員さんの安全意識や練度の高さ、整備士さんの技術力の高さ、整理員さんの注意深さに支えられています。学内連絡バス運行開始のきっかけとなった人、それを今日まで支えた全ての人に御礼申し上げます。
編集部I:日々安全安心な運行を支えてくださっている阪急バスさんにも深く感謝ですね。
編集部I:皆さんが連絡バスをこよなく愛される理由、魅力をズバリ教えてください!
夏目さん:何より大学専用のバスであることによる特別感は大きな理由です。駅や周辺のバス停に寄らずキャンパス間の移動のためだけに走る、大学関係者だけのバスというのが非常に贅沢で、入学前からの憧れでした。阪大を志望した理由の50%くらいは「再履バス」です。
編集部I:なんと阪大志望理由の50%がバスとは!!たしかに総合大学でスクールバスを運行している話はあまり聞いたことがありませんね。阪大にいると外観が阪急バスそのものの学内連絡バスがキャンパス内を走行している景色は日常ですが、実はかなりレアなんですね。
編集部I:ところで、見た目は街を行きかう阪急バスと同じに見えますが、構造・設備などでお気に入りポイントを教えてください。
夏目さん:車両オタクの視点からいえば、馴染みのある路線バスと基本的には同じ仕様なのに所々特殊な仕様がある、という一種の「違和感」が好きです。
編集部I:違和感ですか?
夏目さん:はい。例えば路線バスと同じ座席なのにシートベルトがあったり、交通系ICカードのステッカーが無かったり、運賃表があるべきところに何も無かったり、運賃箱がカバーで覆われていたりするところですね。
路線バスと同じ座席なのにシートベルト!
カバーで覆われた運賃箱!
編集部I:言われてみれば所々で微妙に路線バスとは違いますね。完全にスクールバス仕様ではなく、路線バス仕様の中に散りばめられた細かな違いが魅力なんですね。
夏目さん:あとマニアックな話にはなるのですが西日本車体工業という車体メーカーの96MCという顔が非常に好きでして……。学内連絡バスは電気バス以外この顔なのでとても嬉しいです。もちろん新入りの電気バスも非常に気に入っていて、未来を感じるバスが一台いるというのも大きな魅力です。
編集部I:ところで、さきほどバスが出発した後、深々とおじぎをされていたのが印象的でした。どんな思いだったのでしょうか?
夏目さん:25年前の始発便を想像しながら、これまでの運行に感謝すると共に、10年後、20年後の学生も必要とあらば学内連絡バスを使えますようにと、大学の職員の皆さまや阪急バスの皆さまに思いを託すような気持ちでした。学内連絡バスの開設を報じた当時の大阪大学新聞(縦題字)(1998年4月18日)には「今回の英断は春のキャンパスを沸き立たせ、待望のバスは桜吹雪の中を発進していった。」とあります。当時の学生達の歓喜が伝わる情緒豊かな文章だと思います。今年の桜はもう散っていましたが、この喜びが今の、そして未来の学生達にも伝わることを祈ってやみません。
学内連絡バスの開設を報じた当時の大阪大学新聞(縦題字)(1998年4月18日)
編集部I:25年前の情景が目に浮かびます。素敵なエピソードを紹介いただき、ありがとうございます。最後に一言お願いします。
夏目さん:学内連絡バスはキャンパス間を移動する場面の多い大阪大学において、学生や教職員が無料かつ短時間で移動できる手段を提供し、研究、学習、業務、課外活動といった大学のあらゆる活動がキャンパスの垣根に阻まれることなく行える環境を提供してきました。移動に伴う時間的、金銭的なハードルを下げることは、研究でも課外活動でも新たな知識に触れるきっかけを増やすことに繋がります。お金がない、時間がないと諦めなくて済む。巨大な総合大学故に拠点を一カ所に構えることの難しい大阪大学だからこそ、物理的な距離による障壁を小さくすることが総合大学がその真価を発揮するための大きな助けとなるのだと考えています。
10年後や20年後を考えると、例えばオンライン授業のような、地理的な隔たりによる機会損失を取り除く強力なツールが、今と比べものにならないくらい普及しているかもしれません。そうしたら学内連絡バスは役目を終えるでしょう。逆に言えばその役目が残されている限り、学内連絡バスには走り続けてほしいと思っています。
編集部I:本日は本当にありがとうございました。学内連絡バスにはこれからも学生・教職員のために安全で快適に走り続けてほしいと心から願ってやみません。
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