阪大生のみなさま、ごきげんよう。
HaCC(キャンパスライフ健康支援・相談センター)コンシェルジュのひつじぃと申します。
阪大生のこころとからだのお困りごとについて、HaCCの先生方と橋渡しをさせていただき解決のお手伝いをさせていただいております。
早速ですが、お手紙が届いているようです。文学部の学生さんからですね・・・
HaCC(キャンパスライフ健康支援・相談センター)コンシェルジュのひつじぃと申します。
阪大生のこころとからだのお困りごとについて、HaCCの先生方と橋渡しをさせていただき解決のお手伝いをさせていただいております。
早速ですが、お手紙が届いているようです。文学部の学生さんからですね・・・
Q.
今度学生健診を受診することになりました。健診の時の尿検査は早朝尿で持参するように言われていますが、なぜですか? 早朝尿を持参するのは結構面倒なのですが。。。。 また徹夜明けの尿でもいいのかわかりません。あと、ビタミン剤を飲んでいるのですが、健診前はやめた方がいいですか?
A.
ほうほう。学生健診は毎年学生が受診しなければなりません。体調管理の第一歩、しっかり受診しないといけないですね。そこで早朝尿の持参ですか・・・。きっとそこには何かの秘密が隠されていますね。
ぜひ、このひつじぃにお手伝いさせてくださいませ・・・
保健管理部門の新澤先生にお伺いしてきました。
新澤先生こんにちは、ひつじぃでございます。学生さんから質問が届いていますのでお伺いに参りました・・・
早朝尿を持参するのは面倒だけど、なぜ早朝尿が必要なのでしょうか?
まず、健康診断の尿検査でチェックしているのは主に、尿蛋白、尿潜血、尿糖の3つです。それぞれに異常がないか?を確認しています。腎臓が悪くなると透析などが必要になるので、早期に診断することが大事です。
検査項目が3個あるのですね。
そうなのです。それぞれ違う検査なので一つずつ説明していきます。
まずは尿蛋白から見た理由ですが、尿蛋白陽性(蛋白尿)は腎臓が血液を濾過する際に負荷がかかり蛋白が漏れていることが原因であり、蛋白尿がつづくと腎機能が悪くなっていきます。ただ蛋白尿の原因に、寝ていたり、安静にすると尿蛋白が出ないですが、立ったり座ったりするだけで尿蛋白が出る「体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)」や、姿勢だけでなく、激しい運動、ストレス、過労、発熱などのあとに一時的に出る「運動性尿蛋白」もあります。どちらも腎機能は悪化しないのですが、小児~青年期ではこれら体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)・運動性尿蛋白の頻度が高いので、病的な蛋白尿の診断のためにも除外すべきであり、早朝尿の持参が必要となります。
なるほど。。。運動とか姿勢でも蛋白尿が出るのですね。そして学生さんの世代には多いとのことですか。。。ふむふむ
つぎは尿潜血から見た理由です。尿潜血陽性(血尿)とは血液が濾過された後、腎臓内をとおり、尿管、膀胱へと至る経路のどこかから、腎炎や尿路結石・がん・膀胱炎などの炎症が原因で出血している状態で、出血源の原因によっては、治療が必要なこともあります。まれな疾患ですが、腎臓が正常範囲 (呼吸などに伴い腎臓は軽度上下する) を超えて大きく下へと移動する「遊走腎」の場合、脇腹が痛くなったり、吐き気があったり、一過性の血尿などの症状がみられます。一般的に起床後すぐの採尿を行うと、起立している時間が短く腎臓が大きく下がる時間が少ないため、早朝尿では尿潜血が認められないことが多いです。
尿に血が混じっているのですか、たしかに原因が気になりますね。
最後に尿糖から見た理由です。尿糖とは尿中に糖が含まれており、一般に糖尿病で血糖値の高値が持続していると、糖が濾過され、尿に含まれます。糖尿病ではないですが、尿糖が認められる腎性尿糖もあり、鑑別するのに早朝尿である必要はないです。
糖尿病の名前の由来ですね。。。。学生健診の尿検査、重要な病気が隠れていないかをしっかりチェックするためにも大事ですね。
そうなのです。ほかの病気の除外も必要なので、早朝尿の持参が必須です!!朝一番の尿とはいえ徹夜明け、寝てない状態で採った尿を検査にもってこないようにしましょう。
ぜひ、このひつじぃにお手伝いさせてくださいませ・・・
保健管理部門の新澤先生にお伺いしてきました。
新澤先生こんにちは、ひつじぃでございます。学生さんから質問が届いていますのでお伺いに参りました・・・
早朝尿を持参するのは面倒だけど、なぜ早朝尿が必要なのでしょうか?
まず、健康診断の尿検査でチェックしているのは主に、尿蛋白、尿潜血、尿糖の3つです。それぞれに異常がないか?を確認しています。腎臓が悪くなると透析などが必要になるので、早期に診断することが大事です。
検査項目が3個あるのですね。
そうなのです。それぞれ違う検査なので一つずつ説明していきます。
まずは尿蛋白から見た理由ですが、尿蛋白陽性(蛋白尿)は腎臓が血液を濾過する際に負荷がかかり蛋白が漏れていることが原因であり、蛋白尿がつづくと腎機能が悪くなっていきます。ただ蛋白尿の原因に、寝ていたり、安静にすると尿蛋白が出ないですが、立ったり座ったりするだけで尿蛋白が出る「体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)」や、姿勢だけでなく、激しい運動、ストレス、過労、発熱などのあとに一時的に出る「運動性尿蛋白」もあります。どちらも腎機能は悪化しないのですが、小児~青年期ではこれら体位性蛋白尿(起立性蛋白尿)・運動性尿蛋白の頻度が高いので、病的な蛋白尿の診断のためにも除外すべきであり、早朝尿の持参が必要となります。
なるほど。。。運動とか姿勢でも蛋白尿が出るのですね。そして学生さんの世代には多いとのことですか。。。ふむふむ
つぎは尿潜血から見た理由です。尿潜血陽性(血尿)とは血液が濾過された後、腎臓内をとおり、尿管、膀胱へと至る経路のどこかから、腎炎や尿路結石・がん・膀胱炎などの炎症が原因で出血している状態で、出血源の原因によっては、治療が必要なこともあります。まれな疾患ですが、腎臓が正常範囲 (呼吸などに伴い腎臓は軽度上下する) を超えて大きく下へと移動する「遊走腎」の場合、脇腹が痛くなったり、吐き気があったり、一過性の血尿などの症状がみられます。一般的に起床後すぐの採尿を行うと、起立している時間が短く腎臓が大きく下がる時間が少ないため、早朝尿では尿潜血が認められないことが多いです。
尿に血が混じっているのですか、たしかに原因が気になりますね。
最後に尿糖から見た理由です。尿糖とは尿中に糖が含まれており、一般に糖尿病で血糖値の高値が持続していると、糖が濾過され、尿に含まれます。糖尿病ではないですが、尿糖が認められる腎性尿糖もあり、鑑別するのに早朝尿である必要はないです。
糖尿病の名前の由来ですね。。。。学生健診の尿検査、重要な病気が隠れていないかをしっかりチェックするためにも大事ですね。
そうなのです。ほかの病気の除外も必要なので、早朝尿の持参が必須です!!朝一番の尿とはいえ徹夜明け、寝てない状態で採った尿を検査にもってこないようにしましょう。
起床時の尿を持参する必要性は理解しました。あとビタミン剤服用についてはいかがでしょうか?
ビタミン剤、特にビタミンCの服用が問題となることがあります。尿試験紙の検査は酸化反応により発色し判定されますが、ビタミンCには強い還元作用があるため、尿糖・尿潜血などはその作用が減弱され偽陰性(本来は陽性なのに陰性と判定されること)となります。ジュースなどの飲食による影響はあまりありませんが、ビタミンCを服用している場合は、尿検査の2~3日前に中止をして下さい。
ビタミン剤、特にビタミンCの服用が問題となることがあります。尿試験紙の検査は酸化反応により発色し判定されますが、ビタミンCには強い還元作用があるため、尿糖・尿潜血などはその作用が減弱され偽陰性(本来は陽性なのに陰性と判定されること)となります。ジュースなどの飲食による影響はあまりありませんが、ビタミンCを服用している場合は、尿検査の2~3日前に中止をして下さい。
サプリメントなどでも検査の結果に影響が出ることがあるのですね。
新澤先生、ありがとうございました。
今年も、4月8日(月)から学生健康診断が始まりますね。
新澤先生、ありがとうございました。
今年も、4月8日(月)から学生健康診断が始まりますね。
HaCCのHPに健康診断案内ページがありますので、必ず確認してお越しください。
ピーポールは、各学部・研究科の学生担当係、保健管理部門窓口に置いてありますので、取りに来てくださいね。
ピーポールは、各学部・研究科の学生担当係、保健管理部門窓口に置いてありますので、取りに来てくださいね。
「HaCCコンシェルジュひつじぃシリーズ」は今後もマイハンダイアプリで配信してまいりますので、よろしくお願いいたします。