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ワニ博士、就活の経験は?

2019.03.01
 Dr.Wani
こんにちは。ワニ博士です。
マイハンダイアプリを使っている皆さん。どうもです。この連載コラムではさまざまな博士号を持っている「究極のすっぴんマスター」ことワタシ、ワニ博士が、皆さんの素朴な疑問から高度な疑問、軽い相談から深いお悩みまで語尾に「だワニ」と言わずにお答えしていこうと思います。
ワニ博士 リクルートスーツの頃
ワニ博士 リクルートスーツの頃
第三回は、最近届いた就活生からの質問にお答えすることにしましょう。

Q.ワニ博士は就職活動の経験あるんですか?

悩んでいます。いくら売り手市場と言われても、就職活動って何か違和感があります。何のためにこのシューカツをくぐり抜けなければいけないのでしょうか?って、学術を究めたワニ博士に質問しても意味ないかもしれませんが。そもそも、ワニ博士は就職活動の経験あるんですか?(3回生男子)

A.

当然あります(キリッ)。ワタシが全ての博士号を取得していることは前回ご説明した通りですが、好奇心が旺盛なワタシ、あらゆる物事に関心を示します。研究を世の中に役立てるためにも広く社会を知っておこうと特注のリクルートスーツを着て「就職活動」に身を投じていたこともありました(遠い目)。何事にも全力投球のワタシですから、当然あらゆる業界の内定をいただきました。博士号マスターでありながら、就活マスターでもあるのです。

就職活動とは、己との対話である。

そもそも就職活動とは何か。一言で言えば、己との対話ですかね。え、意味が分からない? それでは詳しく解説していきましょう。就職活動、いわゆる「就活」のプロセスは簡単に言ってしまえば「①自分を知り、②相手を知り、③相性を確かめる」という三段階です。まず自分が何をしたいのか、自分に何ができるのか、どのような生き方・働き方をしたいのか、など自分自身について考えます。この第一段階は「自己分析」と呼ばれます。次に、世の中にどのような職業があるのか、どのような組織があるのか、働き方はどうなっているのか、など業界や企業について調べます。この第二段階は「業界研究」と呼ばれます。そして、実際に興味ある職場候補を見つけたら雇用条件を確認して応募し、試験や面接を受けながら、自分と相手の相性を確かめます。この第三段階は「選考活動」と呼ばれます。
自分を知り、相手を知り、相性を確かめる。言ってみれば、求職者と職場の「お見合い」みたいなもんですね。究極的には、自分がどうしたいか、が最も重要です。ゆえに、「就職活動とは、己との対話である」と言っても過言ではないのです。中国の兵法書『孫子』にも「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という教えがありますしね。
就活も婚活も同じプロセスですよー
就活も婚活も同じプロセスですよー

就活の「なんでやねん」を探ってみると

就職活動は国や時代によって様相が異なります。日本では3月末に卒業した学生が4月から新社会人として一斉に働くのが一般的ですが、世界的に見ると異例です。大学生が在学中、つまり卒業前に、同じようなリクルートスーツを着て一斉に就活を行うのも独特です。なぜか?そこにはちゃんと理由があります。

日本では「新卒一括採用」といって、年度ごとに同世代の新人を一括採用するのが慣例です。儒教文化に影響を受けている日本は年上を敬う社会なので「上司=年上、部下=年下」のほうが自然で揉め事も少ないので、働く側にとっても雇う側にとっても楽で都合が良いのです。それに、採用する側にとっては、年中ずっと採用・選考活動のためにコストをかけなくても良い、求職者が現れる度に対応するより年1回のほうが楽、というメリットもあります。合理的ですね。

なぜ、就活生は同じようなリクルートスーツを着るのか。これも、就活する側と採用する側の双方にとってメリットがあるからです。就活生は何を着るか悩まなくて済みます。採用側も基本的に皆同じリクルートスーツであるほうが、ファッションセンスや見た目の奇抜さに惑わされず純粋に能力で評価しやすくなります。また、全部バラバラなものに優劣をつけるよりも、同じものの中から不自然なものを見つける(指定された服装から外れていないかチェックする)ほうが簡単です。スーツ業界にとっては毎年安定した収入源になっている、身だしなみ講座などビジネスマナー研修という雇用創出になっている、スーツの着こなし方を入社前に身につけてくれたら助かるという会社側の研修費節約になっている、など他にも理由が色々あるかもしれませんね。
就職活動
日本企業が効率的に新人を採用するための仕組みなんですね。ワタシもこれに馴染みつつ、中身で勝負してました

複雑化する就職活動を巡り巡って

インターネットの発達に伴って、最近の就職活動は複雑化してきています。そもそもインターネットがなかった時代は、会社説明会の案内は郵送で届いていました。郵送費はタダじゃないので、高学歴の大学にだけ会社説明会の案内を郵送していた会社もありました。そういう意味でも、一流企業に入るためには難関大学に合格することが重要だった時代もあったわけですね。ところが今ではインターネットでダイレクトメールを送り放題。良くも悪くも、どんな大学でも一流企業の会社説明会に参加できるようになりました。その一方で、会社側では大量に送られてくる履歴書や志望理由書(エントリーシートと言われます)を効率よく処理しなければならなくなりました。
また、採用担当者にウケる志望理由書の書き方講座なんかも出てきて、紙面から人柄や能力を評価しにくくなってきたので、最近では自分を表現する1分間ムービーの提出を求める商社も出てきました。さらに、面接対策講座なんかも出てきて、面接から素顔や本当の実力を見極めるのが難しくなってきたので、最近では想定問答集には載っていないような意表を突く質問(準備してきた受け答えではない素の反応を確認するための質問)や圧迫面接(ストレスに耐えられるか確認するために敢えて採用担当者が高圧的な態度をとる面接)をする企業も増えてきました。早期に優秀な学生を囲い込むためにインターンシップを開催する企業も出てきているようです。就活対策本も多数出版されていますし、就活支援を謳う団体も多数あります。情報が溢れていて、何を信じて良いのか分からないくらいです。
キャリアセンター公認マーク
大阪大学キャリアセンターが公認するイベントの証。この公認マークの蒼い輝きが皆さんを未来へ導きます

キャリアセンターを活用せよ

就活マスターのワタシですら、近年の就活に丸腰では挑めません。そこで、2017年12月に設置された「大阪大学キャリアセンター」が、皆さんの強い味方になることでしょう。他ならぬ「阪大生のキャリア」を考える上で必要な情報がここに集まっているのです。「進路・就職相談」、「就職・キャリアガイダンス」、「就職活動ガイドブック」、「阪大就活アプリ」、「学内合同企業説明会(企業ガイダンス)」、「学内小規模業界研究(キャリアカフェ)」、「内定者による後輩支援(キャリアサポーター制度)」、「学生スタッフによるイベント企画(キャリアサポーターJr.制度)」などなど、数えきれないほどの取組み……ワタシもこんな手厚いサポートを受けられる現代流の高コスパ就活を体験してみたいものです。キャリアセンターは公式ウェブサイトだけでなく、TwitterFacebookLINEなどのSNSでも積極的に情報発信しており、活用の第一歩は今すぐにでも踏み出せますね。
就活を成功させられるか否かは、皆さん次第!ということで、是非キャリアセンターを活用するのだワニ〜。
キャリアセンターWebサイト
偉大な先輩たちに続こう!

Dr. Wani 🐊

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