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阪大の非常食っておいしいん?~災害が起きたときどうしたらいい?~

2022.06.17
 まちかねっ!編集部
みなさん、お久しぶりです。みなさんが今ご覧になっているマガジン、『まちかねっ!』編集部のTです。
明日は6月18日。みなさん、何の日だかわかりますか?
おにぎりの日?それも正解です!(石川県で日本最古のおにぎりの化石が発掘された日だそう🍙) もう1つの正解は、2018年(平成30年)に「大阪北部地震」が発生した日です。最大震度は震度6弱。4年前のことなので、当時は大阪にいなかった方もいるかもしれませんね。
総合図書館(豊中キャンパス)の被害状況
災害が起こったときに一番心配になること・・・・それは命!そして次にごはん!!!🍚
もし学内にいるときに被災して、自宅に帰れなくなってしまったら、阪大生・教職員はどんな食事を食べられるのか、前々からTはとても気になっていました。(食い意地)
ということで、今回は『まちかねっ!』編集部がみなさんに代わり、阪大で備蓄している非常食のお味をレポートしてきました

阪大の非常食っておいしいん?

これが阪大の非常食のラインナップだ!
全種類並べてみたらこんな感じになります。お水、いろんな味のフリーズドライのご飯やパンに加えてクッキーも!果たしてどんなお味なのでしょうか…?
今回は防災備蓄品の管理をしている、「安全衛生管理室」のMさんにもレポートに参加していただきました。
編集部T、安全衛生管理室M、編集部M
早速ごはんから準備していくわよ~!
作り方は超簡単です。
①袋を開けて…
②乾燥剤と付属のスプーンを取り出す。
③内側の黒い線までお湯を注ぐ。(お好みで硬さの調整も可能。)
④よくかきまぜたら、あとはチャックを閉めて3分放置するだけ!早すぎません?
さて、調理(?)した4品がこちら。
右上から時計回りに、ピラフ、チャーハン、五目ごはん、カレー。
ではでは!いっただきまーす。
まずはピラフから。
案衛M:あ、おいしい!
編集部T:しっかりバターの味がしますね。避難所でこれ出てきたらびっくりするわ。
続いてはチャーハン。
編集部T:チャーハンとピラフって見た目はほとんど変わらないけど、お味はどうなんでしょう?
編集部T:チャーハンうま!がっつり中華味です。
案衛M:たしかに、味がしっかりしてますね。
編集部M:餃子ほしくなってくる味やね。おいしい。
3つ目は五目御飯。
編集部T:結局こういう味が一番ほっとするんですよね…。他のごはんもそうですけど、具材も入っているから、飽きが来ない。
編集部M:他のご飯に比べて少し硬いような気が…
編集部T:五目御飯だけは水で戻したから、それが原因かもしれないです。5分って書いてたんですけど、もう少し長く戻したほうがおいしいのかも。
最後はカレー味。
編集部T:おお、五目御飯とのギャップがすごい!カレー味~。
案衛M:カレー味は刺激ほしいときにもってこいですね!
ばっちり完食!おいしかった~
どのごはんもとてもおいしかったのですが、食レポした3名の中では、チャーハンが一番おいしい!という結論になりました。
お次はパンを食べてみることに!
左からメープル味、チョコレート味、ブルーベリー味
こちらはまさかの缶入り。缶切りもいらない仕様になっているので、手で開けられるのも魅力のひとつ。
なんと!パンが直接入ってるやーん。斬新。
メープル味からいただきます。
案衛M:めっちゃメープルの味する!
編集部T:正直、口の中の水分全部持っていかれるかと思ったので、安心しました(笑)
編集部M:思ったよりもぱさぱさしてないね。スーパーで売っているパンにも負けないくらいおいしいかも。
こちらのパンの賞味期限はなんと5年半先でした。現代の技術ってすごいのね…!
一番人気は満場一致でメープル味でしたが、ブルーベリー味はほんのりフルーティー、チョコ味も優しい風味でおいしかったです。
今回は、ごはん・パンのお味をレポートしましたが、どちらもおいしく、バリエーション豊富で飽きがこない点が魅力的でした☆ 阪大の非常食、めっちゃおいしかったです!

防災倉庫ってどんなところ?

さて、先ほど食べてみた非常食たちを含め、阪大全体の備蓄品を保管しておくには、かなりのスペースが必要なはず…。一体、大学のどこに保管されているのでしょうか!?
安全衛生管理部の山本仁先生、百瀬英毅先生にお願いして、吹田キャンパスの防災倉庫を案内していだきました。
場所は吹田キャンパスグラウンド「すいらん」のすぐお隣。
この防災倉庫のマーク、みたことある人もいるのでは?
山本先生(左)と百瀬先生(右)
編集部T:おお~!思った以上に広いですね!
山本先生:大阪で地震が起こったときに、自治体と連携して支援物資などの物流拠点としての役割を果たせるようにするために、広いスペースを確保しているんですよ。
編集部T:だから余裕がある造りになっているんですね!阪大では、どのくらいの備蓄品を保管しているんですか?
山本先生:全学で8000食分準備しています。大規模な地震が起こったときに帰宅困難者が8000人ぐらいになるだろう、という予測をしているからです。
食品以外に毛布や電池なども備蓄されています。
編集部T:賞味期限が近づいた非常食はどうしているんですか?
山本先生:今はコロナ禍でできていませんが、いちょう祭やまちかね祭で来てくれた人のおみやげにしたり、防災訓練のときに炊き出しをしたり…学内のイベントで使用することが多いですね。一昨年は新入生の応援イベント「ウエルカム阪大!」のおみやげにしました。
いちょう祭で非常食を配布
編集部T:なるほど。食品ロスの観点からもいいですね。
先生方のオススメ非常食は、フリーズドライのごはん。山本先生は五目御飯、百瀬先生はピラフがお好みとのこと。

学内にいるときに地震が起きたらどうする?

編集部T:学内にいるときに地震に遭うこともあると思うのですが、普段から心がけておいたほうがいいことはありますか?
百瀬先生:避難のルートは確認しておいたほうがいいと思います。
編集部T:そういえば、全学教育推進機構の建物には、避難経路の矢印が掲示されていたような…。
全教の避難経路掲示 不特定多数の人がきてもわかりやすいように掲示しているそう。
山本先生:そうですね。それに加えて、普段から、色々なルートを使って移動するのもオススメします。 人間っていざというときになったら、普段使っているルートしか思いつかなくなっちゃうので。
百瀬先生:特に建物の中にいるときは、そうなりがちですね。例えば、授業に行くときは、行きと帰りで別のルートにするなど、散策気分で色んなルートを通っておけば、非常時に1つの避難ルートが使えなくなったとしても、対応ができるはずです。

自宅にいるときに災害に遭ったらどうする?

百瀬先生:地震が起きたら、まずは火の処理が第一。その次に避難経路の確保、という感じでしょうか。
山本先生:消火器の使い方も、知っておいたほうがいいかもしれない。天井まで火が上っていなければ、初期消火の必要がありますからね。
編集部T:消火器の使い方、覚えてないですね…。
山本先生:7Hz(ヘルツ)ぐらいで小刻みに動かすのがいいと言われたりもしています。
編集部T:7Hz・・・。先生ごめんなさい。せっかくの具体的な数値ですが、どんな動きか想像がつかないです(笑)どこかで練習できるところはないのでしょうか?
山本先生::各学部の防火訓練などで、消防署の方が来ていたら、水の消火器で訓練させてくれることもありますよ。そういう機会を捉えて体験しておくことをオススメします。
山本先生:逃げ道の確保のためには、揺れが収まったあと、できればすぐにドアを開けた方がいいですね。
編集部T:逃げ道がふさがらないようにドアを開けておいたほうがいいとのことでしたが、もしすでに閉まっていて出られない場合にはどうすればいいですか?
山本先生:そのときはドアや壁を蹴り破って出てください。
編集部T:蹴り破る!!!(驚)
山本先生:私の知り合いの先生は、東日本大震災が起こった時に、大学の部屋にいたそうなのですが、壁の両側から本棚が倒れてきて部屋から出られなくなってしまったそうなんです。そのとき彼は、ドアの横の壁を蹴り破って隣の部屋に避難したんですよ。
編集部T:それはかなりダイナミックなエピソードですね。
山本先生:そうでもないですよ。その時は何事もなかったから笑い話になったけど、もし火事が起こっていたとしたら、命に関わる大変な話です。
編集部T:たしかにそうですね。地震が起こったときは「まずは火の処理をする」、そして「逃げ道を確保する」こと、心に留めておきます!

避難所に避難するかしないか、どうやって決める?

編集部T:災害に遭ったとき、避難所へ避難するかどうかの判断って難しいと思うのですが、どうやって決めるのがよいでしょうか。
山本先生:地震の場合、住んでいるアパートが、ボロボロ(耐震がしっかりしていない)のであれば避難したほうがよいでしょうね。それ以外は、付近で火災が起こっていなければ自宅待機でもよいように思います。ただ、水害に関しては、立地条件によってはできるだけ早く避難したほうがいいでしょう。
編集部T:なぜ、水害のときはできるだけ早く避難したほうがよいのでしょうか?
山本先生:ひざ下30センチぐらいになると、水に足を取られ、避難できなくなってしまいますから。
百瀬先生:各市町村のHPなどでハザードマップを確認して、自分の住んでいる土地がどういう災害に遭いやすいかも見ておいたほうがよいと思います。
吹田市のHP
山本先生:NHKのニュース・防災アプリもおすすめ。大河川だけでなく、中小河川の危険情報も提供してくれる。大雨や台風時に、自分が住んでいる地域周辺の河川氾濫リスクが確認できます。
百瀬先生:そのほかにも、その土地の歴史などを調べてみると、過去にどんな災害に遭ったかがわかり、ヒントになることもありますよ。
編集部T:ちなみに先生方は、災害時にご家族の方とどのように連絡を取るか、決めておられますか?
山本先生:私は災害用伝言ダイヤル「171」を使うことにしています。「災害が起こった時はこういうふうに連絡しよう」と決めておけば、慌てずに済みますね。
百瀬先生:私も携帯電話で電話してみて、繋がらなかったら「171」にメッセージを残すことにしています。

「171」の番号を入れて電話発信すると、音声案内が始まるので、登録も簡単にできる。

防災はおうちキャンプ!?

編集部T:自宅で被災、もしくは学内で被災したけど帰宅はできる場合、自宅にも非常食などを備蓄しておく必要がありますよね。どのくらいの量を準備しておけばいいのでしょうか?
百瀬先生:大きな災害があったとき、全国から届く支援物資が地元の避難所で配られるのは、だいたい3日後と言われています。そのため、3日間は自助で生き延びることができるように準備するという考え方が一般的です。
山本先生:3日間家から一歩も出なくても生活できるぐらいの備えをしておけばいいってことなんです。学生さんだったら、家にカップラーメンとか、レトルトカレーが常にあるはずですから、それをローリングストックしていくといいと思います。
編集部T:ローリングストックとは…
山本先生:食べ切ったら次の非常食を買うというのではなく、数個あるうちの1個を食べたら、1個買い足すというような具合ですね。
編集部T:非常食のほかに準備しておいたほうがいいものってありますか?
山本先生:今の世の中、携帯電話が使えないと相当つらいので、予備バッテリーも潤沢に持っていたほうがいいと思います。
編集部T:電池なども置いておくほうがいい、ということですね。
山本先生:そうですね。キャンプグッズを集める感覚でやってみたらいいんじゃないかな?災害に遭ったときは、家の中で3日間キャンプする、というイメージです。私はアウトドアが好きなので、普段から通勤する車にテントとか、キャンプグッズを積んでいたりします。
山本先生が取材の日に持っていたキャンプグッズ。太陽光+木の枝だけで発火可能だそう。
編集部T:今はおしゃれなキャンプグッズもたくさん出ているから、アウトドアと捉えると、なんだか楽しくなってきました!
山本先生:防災だけに限ったことじゃないけど、何事も楽しむことが大切やからね。前向きな気持ちで準備できるほうがいいと思うんです。
編集部T:山本先生、百瀬先生、色々教えていただきありがとうございました!
阪大生のみなさんもキャンプ気分で楽しく災害に備えてみてはいかがでしょうか!?
それでは、またお会いする日まで~
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まちかねっ!編集部