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観ざるをえない!?「大阪学生Queer映画祭」が今週末!

2019.05.23
 まちかねっ!編集部
こんばんは……お忙しいワニ博士から予定の原稿が届かず、大変な時間にキーボードを叩いている、まちかねっ!編集部のHです……。
先週の「阪大生限定で超ディープな世界の文化に触れろ!みんぱくディスカバリーツアー!(6/30(日)開催)」の記事、読みました? ナニソレって人はすぐ読んでください。吉田館長もヤマグーさんも、ていうか企画内容が最&高ですね。阪大生が羨ましすぎて、僕も先週末は1歳半の娘とみんぱくへ遊びに行きました。
国立民族学博物館
娘も天パです。超かわいいですね。
さて、いいないいな〜、阪大生っていいな〜♪なイベントまだあるんです、今週末に。編集部的にはめっちゃ注目してるけど、大学広報として全然タッチできてなくてギギギと焦っていた(歌ってる場合?)のです……開催直前となってしまいましたが、ここにご紹介させていただきます。
イベントポスター
このポスター、見かけたことあるのでは?
(コラージュ:田中優菜/デザイン:五十里翔吾)
大阪学生Queer映画祭。阪大生有志による自主的な実行委員会が企画・運営している、初めての「性/生」の映画祭です。
「性の多様性」「LGBTQ」をテーマとした10本の映画が、5/25(土)・26(日)の2日間、豊中キャンパスの大阪大学会館 21世紀懐徳堂スタジオで上映されます。

「なんか流行りに乗って、その人らの好きな映画のDVDとかスマホのムービーとかをプロジェクターで映すだけちゃうん?」
うーん。違うと思います。
彼ら(実行委員会)、本気で企画しているし、本物の観るべき映画を揃えてきました。関西クィア映画祭、大阪アジアン映画祭、フィリピン大使館、在名古屋ブラジル総領事館の後援を得、日本初上映2作品を含む10作品を阪大のスクリーンに投影します。

ポスターには、こんな優しい檄文が。

男/女であるってどういうことだろう?男らしさ/女らしさって何なんだろう?
こんな違和感から生まれる疑問をまじめに考えていく姿勢をQueer(クイア:元は英語で「ヘンタイ」)といいます。
阪大Queer映画祭では、その答えをみんなで探していくために、特別に選んだ10作品を上映します。

大学という知のフロンティアから発信しよう、新しい社会の「性」と「生」の価値を。

どうでしょう? 阪大生が真正面からストレートど真ん中に投げ込むこのボール、受けとめるにしても打ちかえすにしても、観ることからしか始まらないのでは、と僕は思います。
映画の上映の他にも、「性をテーマにした美術作品の展示」や、「映画の感想やそこで扱われた様々なテーマを会場の皆で話し合う"シネマカフェ"」などの企画も行われるとのこと。また、26日の映画祭終了後には参加者を交えたパーティも。充実しています。

本当は、今回の企画をまとめあげた大阪学生Queer映画祭実行委員会の皆さんにインタビュー取材をしたかったのですが、なんせ急遽書き始めた記事なので……。しかし、実行委員会の野上貴裕さんから「まちかねっ!」読者の皆さんへのコメントをいただきましたので、ご紹介します。

私たちの映画祭は、普段あまり口にしたり考えたりしない方がいいとされている「性」について、大っぴらに感じ、考え、話し、行動するためのきっかけとなることを目指して開催されます。生きることにとって「性」は無視することのできないことがらです。普段当たり前だと思われている「性」についての「ふつう/へん」の境界線を揺るがすような体験をすることで、もう一度、「生」について考え直してみませんか?ご来場お待ちしています。

文学部人文学科4年 野上貴裕

開催に向けて4月に実施したクラウドファンディングでは、目標を大幅に上回る247,500円の支援を受けたこの映画祭。
"性を問うことで、見えてくる生き方があるのではないか"というまじめな理念を掲げつつも、バラエティに富む上映予定10作品や、おしゃれな缶バッジなどの公式グッズ、オープンな運営SNSなども含む、ワクワク感あふれる企画内容、というセンスの良さに驚かされます。

ツイッター画面
一緒に未来をつくってゆく若者の一人として観ざるをえない!という強い気持ちはもちろん、ちょっと気になる作品1本をふらっと観にいってみる気軽さも、大阪学生Queer映画祭は迎えてくれると思います。
この週末、いつもの阪大坂を上って、「いつも」を超える豊かな世界に出会ってみませんか?

大阪学生Queer映画祭 概要

タイムテーブル・上映作品紹介
タイムテーブル
5/25(土)9:15 ごあいさつ
5/25(土)9:30 『トークバック 沈黙を破る女たち』坂上香監督
(120分)
HIV陽性の女性たちが自身の人生に芝居を通して向き合っていく様を追ったドキュメンタリー。社会はHIV陽性の女性たちに沈黙を強いてきた。そんな彼女たちが今自分のことを話しだす。(沈)
5/25(土)11:30~12:30 昼休み
5/25(土)12:30 『ある家族の肖像』松井蛙子監督
(13分)
同性カップルと愛犬から成る「家族」のありのままの姿を映した短編ドキュメンタリー。両親にも地域の人にも認められている、彼らの愛のカタチ。しかし、まだこの国の法律では認められていない。いま観てほしい、ここに生きる“ある家族の肖像”。(香川)

『わたしの居場所~新世界物語~』武田倫和監督
(77分)
上映協力:関西クィア映画祭
お好み焼き「千両」の名物店主、おかまの“ひろ子ママ”の生き方を絵取ったドキュメンタリー。自分らしく生きたいと、故郷をあとに流れ着いたのは大阪の新世界。悩んだり、恋をしたり、仲間と笑いあったり...52年ぶりの帰郷と共に、ひろ子ママの半生を振り返る。(香川)
5/25(土)14:15 シネマカフェ 出演者を交えディスカッション
5/25(土)15:00~15:20 休憩
5/25(土)15:20 『SSEX BBOX documentaries』
(94分)*日本初上映
「セックスは単に身体の運動じゃない、それ以上のものだ。ジェンダーでもないし…セックスは、全てだ」Queerな人びとがさまざまな性の経験について語るドキュメンタリー・ムービー。型に捉われない、豊穣な性の経験の声を聞こう。(野上)
5/25(土)16:40~17:00 休憩
5/25(土)17:00 『PAKI』ギアンカルロ・アブラハン監督
(100分)
上映協力:大阪アジアン映画祭
80歳を迎えるアレハンドラは、長年連れ添ってきた浮気癖の治らない夫との熟年離婚を試みるが、娘たちは大反対!政治家やシングルマザー、同性婚など、それぞれの道を歩む娘たちと母の思いが交錯する。母と家族のゆくえはいかに…。本作品は、監督がリスペクトする小津安二郎の『東京物語』を擬えている。(山國)
5/26(日)9:30 『鬼郷』チョ・ジョンネ監督
(127分)
日本による植民地支配を受けていた朝鮮半島では、女性だから、朝鮮人だからという理由で幾人もの若い女性が悲惨な暴力を受けていた。この映画は、歴史上の事件として距離を置きがちな日本軍従軍「慰安婦」問題が、今なお続く人権の問題でもあると気付かせてくれるだろう。(沈)
5/26(日)11:40~12:40 昼休み
5/26(日)12:40 『愛と法』戸田ひかる監督
(C)Nanmori Films(94分)
法律事務所を営む弁護士のカズとフミは、公私ともに良きパートナー。そして、「夫夫」である彼らの事務所に来る依頼人もまた、さまざまな葛藤を抱えた「マイノリティー」だった。これは、“法”で一概に線引きできない“愛”の深さに直面するドキュメンタリー。(香川)
5/26(日)14:15 シネマカフェ
5/26(日)15:10~15:30 休憩
5/26(日)15:30 『MAN MADE』T. Cooper監督
(93分)*日本初上映
アメリカ、アトランタで2014年から行われている実在のトランスジェンダー・ボディビル・コンテストを取材したドキュメンタリー映画。手術痕も、生き様も、全てをステージの上でさらけ出すボディビルダーたち。世界に自らの身体を問うその姿には、悲壮感など漂っていない。むしろ個人の覚悟、決意に裏打ちされた、晴れやかな笑顔が目に焼き付く。(安積)
5/26(日)18:00 『女は女である』メイシー・グーシー・シュン監督
(93分)
上映協力:大阪アジアン映画祭
趙凌風は、厳格なキリスト教徒の家庭に育ち、男子用の制服を着て学校に通う中学生。だけれど、自分が男性であることに対して強烈な違和感を抱えて生きている。もうひとりの主人公・宋紫洳は、夫と子供と一緒に暮らしているが、20数年前に手術を受けたトランス女性であることを隠している。2人を取り巻く人々とともに、トランス女性の抱える葛藤と決意を描く。(高田)
5/26(日)19:30 閉会のことば「Queerな撹乱」
◎各日、昼休憩の冒頭と、最終上映の直前に、計4回上映
『染色体の恋人』矢野ほなみ監督
(5分)
この映画祭唯一のアニメ作品。長さは5分に満たないが、「彼女たち」の断片的な語りと、独特の風合いの映像は観るものに強い印象を残す。(高田)
◎会場内にて
性をテーマにした美術作品の展示
(大阪大学美術部・地域のアーティスト集団協力)
◎映画祭終了後、大阪大学構内にて
参加者を交えたパーティー
(5/26(日)20時くらいから開始)
詳細はこちら


※上映映画のポスター・イメージ等は、映画祭公式HPでご覧ください。

日時・会場
  • 2019年
    5月25日(土)9:00~18:40
    5月26日(日)9:00~19:40
  • 21世紀懐徳堂スタジオ
    大阪大学豊中キャンパス内 大阪大学会館1F
地図
  • 入場無料(カンパ歓迎)
  • 入退出自由
企画協力:大阪大学 21世紀懐徳堂
後援:関西クィア映画祭、大阪アジアン映画祭、フィリピン大使館、在名古屋ブラジル総領事館

公式HP
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クラウドファンディング

会期中は、 #OUQFF で映画祭の告知、または、 #性について でみなさまの性についてのご意見を募集しております。

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まちかねっ!編集部