大阪大学ミュージカルサークル「みーあキャット」は、2023年7月16日(日)に兵庫県西宮市の西宮市立なるお文化ホールで第10回公演『メリー・ポピンズ』を上演した。
『メリー・ポピンズ』の舞台は20世紀初頭のロンドン。おてんばな子どもたちと彼らに手を焼く母親、堅物な銀行員の父親、個性豊かな使用人たちで構成されるバンクス家にやってきた風変わりな子守り・メリー・ポピンズと、煙突掃除屋の青年で、楽器を奏で絵を描き歌を歌うエンターテイナーの心を持ったバート。この2人によって展開される魔法のように不思議で素敵な世界観を、オリジナル翻訳によるこだわりの台詞、表現力と響きに繊細な注意を払って歌い上げる数々の名曲、そしてアンサンブルによる一糸乱れぬ迫力ある群舞により描いた。
「みーあキャット」は2018年4月に大阪大学で結成されたミュージカルサークルで、大阪大学の公認団体である。現在は約50名の団員が所属しており、半年に一回行われる本公演のほか、新人公演や引退公演に向けて、週3回練習に取り組んでいる。
これまでに、『美女と野獣』『ロミオとジュリエット』『1789~バスティーユの恋人たち~』『レ・ミゼラブル』『ノートルダムの鐘』『ウィキッド』『アラジン』『エリザベート』『アナスタシア』などを上演してきた。
みーあキャットでは、演者としての出演はもちろんのこと、音響照明や舞台美術といった制作、監督演出、楽譜や音源の作成、振付、ホールや外部との連携等を全て自分たちで行なっているという。
団員の一人は、「上演を迎えるまでには、たくさんの乗り越えるべき壁が立ちはだかりますが、時にぶつかり合い、時に支え合い、仲間とともに舞台上から見る景色は何にも代えがたい宝物です。この場所で得られる唯一無二の経験はきっと忘れられない、忘れたくない思い出になるはずです。」と振り返る。
本公演の監督・演出を務めた団員・前代表の菅野ありささん(文学部3年)に話を聞いた。
Q:この作品を作る上でどんなことを目指していましたか?
作品をつくる上で目指していたのは、曲それぞれの世界観をガラッと変えること。テーマパークでアトラクションによって見えるものがコロコロ変わるみたいに、同じ舞台でも声色や動き方、照明、衣装、大道具などを総動員して、お客様に届く世界が変わっていけば良いなと。
例えば、銀行の画一的で無機質な雰囲気。機械的な重厚感を出すために、表情をどこまで動かすかや、手を揃える角度まで調整を重ねました。規則性のある振り付けも相まって、他のシーンとはひと味違う冷たさが演出できたのではないでしょうか。
Q:お気に入りの場面について教えてください。
まずは第一幕、プロローグから。ストーリーテラーであるバートが霧の中、街灯に火を灯しにやって来ます。バートがさくら通りを目覚めさせて物語の朝が始まるイメージ。シルエットを綺麗に出したい、ここでお客様をバートの掌の上に惹き込みたい、など試行錯誤を重ねたこだわりの詰まった演出です。
主人公は魔法使いで子守のメリー。悪戯好きで問題ばかり起こすバンクス家の子供達、ジェーンとマイケルのもとにやって来ます。文字通り“風に乗って”バンクス家にやって来たメリーの自己紹介ソングとも言える「何もかもパーフェクト」。子供部屋でメリーが次々と繰り出す魔法に子供達は夢中になっていきます。
メリーの使う魔法の仕掛けは、全てスタッフさんの手作業で実現したもの。机の中に人が入っていたり、部屋の背景パネルの後ろにも人が潜んでいたりと、工夫を凝らしてもらいました。
メリー・ポピンズと言えば、あまり詳しく知らない人でも聞いたことがあるのではないでしょうか。スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドウシャス…!みーあ版のメリポピにおいても、一幕の大きな見せ場になりました!
ご来場頂いた方々の感想アンケートでも、かなりエネルギッシュだったと好評を頂いているように感じます!
ご来場頂いた方々の感想アンケートでも、かなりエネルギッシュだったと好評を頂いているように感じます!
メリー・ポピンズのことを子供向けの作品だと思ったことがある人もいるかもしれません。でもこの物語、もう「子供」でなくなってから観るとまた違った深さがグッとくることもあるのです。将来の夢として描いていた未来が全て叶うわけではないと分かった後の大人たち。自分って何だ?これで幸せなのかな?そんな問いを投げかけてくれるのが、ジェーンとマイケルの父ジョージと、母ウィニフレッド。二人の長台詞からなる掛け合いは圧巻でした。
バンクス家を支えてくれる使用人達の存在も忘れてはなりません。ミセス・ブリルとロバートソン・アイの凸凹コンビが物語の良いスパイスとなって筋書きにグッと味が出ましたね!
Q:最後に監督を務めた感想をお願いします。
何かに本気で取り組んだ経験ってかけがえのないものなんですよね。
これからもみーあキャットで舞台に立ち続ける団員も、別の劇団に旅立つ人も、勉強に力を入れる人も、就職を頑張る人も、留学に行く人も、新たな生きがいを見つける人も、いろんな道があって、今まで一緒に肩を組んでやってきた皆が別々の場所に行ってしまうのは寂しいけれど、でも一つの舞台を目指して切磋琢磨してきた時間は本物だったと言えるからこそ、またおじさんおばさんになって再会した時に良い顔で話が出来ると思うのです。「どんなことでもできる」は、メリー・ポピンズのフィナーレの歌詞ですが、元は“Anything can happen if you let it.”
この、訳しきれなかった”If you let it”の部分が結構大切で、「どんなことでもできる、お前がやればな!!!」てことなんだと思います。実際半年間やってきて、どんなことでもできてきましたからね!!
これからもみーあキャットで舞台に立ち続ける団員も、別の劇団に旅立つ人も、勉強に力を入れる人も、就職を頑張る人も、留学に行く人も、新たな生きがいを見つける人も、いろんな道があって、今まで一緒に肩を組んでやってきた皆が別々の場所に行ってしまうのは寂しいけれど、でも一つの舞台を目指して切磋琢磨してきた時間は本物だったと言えるからこそ、またおじさんおばさんになって再会した時に良い顔で話が出来ると思うのです。「どんなことでもできる」は、メリー・ポピンズのフィナーレの歌詞ですが、元は“Anything can happen if you let it.”
この、訳しきれなかった”If you let it”の部分が結構大切で、「どんなことでもできる、お前がやればな!!!」てことなんだと思います。実際半年間やってきて、どんなことでもできてきましたからね!!
〈関連サイト〉
本公演についてアイデアニュースに掲載されました。公演の一部を動画でご覧いただけます。→こちら
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★次回公演★
第11回公演『ファントム』
オペラ座の地下に生きるファントム(怪人)の壮絶な人生とは。みーあキャット史上最大の熱量で挑む、愛と感動の物語。
2023年12月27日(水)18:00頃開演
八尾市文化会館プリズムホール
完全予約制・完全無料
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完全予約制・完全無料
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