大阪大学ロボット製作団体Robohanは、2023年6月4日に開催された NHK 学生ロボコンに出場した。NHK学生ロボコンは、日本全国の大学や高専が参加し、日本一を決める大会で、優勝チームはアジア太平洋大会であるABUロボコンに出場する権利を得る。ロボコンとはロボットコンテストの略であり、各チームが自分たちで製作したロボットを使って競技に挑み、点数を競いあう大会である。NHK学生ロボコンは日本で最も大きなロボコンの1つで、数十チームの中から2度の審査を通過した約20チームが東京で行われる本戦に出場することができ、Robohanは2006年以来12度に渡って本戦に出場している。NHK学生ロボコンは毎年異なるルールで実施され2023年は「輪投げ」をモチーフにしたルール、「Casting Flowers over Angkor Wat」だった。今年のアジア太平洋大会の開催地であるカンボジアの名所アンコールワットを模したステージに立つポールに射出した輪をかけることで得点を得る。
各チームは2台のロボットを制作する。1台は「うさぎロボット」、もう1台は「ぞうロボット」である。2台で協力してフィールド上のポールに輪をかけていき、時間内に 多い点数を得たチームが勝利となる。また、自陣のすべてのポールに輪をかけると「チェイ ヨー」(Chey-Yo)といい、経過時間関係なく勝利となる。
Robohanは、うさぎロボットに団体史上初めて足回りにステアリング機構を採用した。ステアリング機構は、他の方式に比べて位置の微調整や制御が難しいといったデメリットはあるものの、モーターの力をフルに活かして移動できるというメリットがある。また、ぞうロボットでは、NHK学生ロボコン2023で唯一の空気圧を用いたユニークな輪の射出方法を用いている。これら2台の機体は前年の夏から約8か月にわたって、多くの実験や試作、作り直しを経て製作された。NHK 学生ロボコンでの優勝に向けて、学生たちは本気で取り組んでいる。
大会本番、Robohanは予選リーグで豊橋技術科学大学(今大会優勝、ABU2023 優勝)、京都大学と対戦した。1戦目豊橋技科大戦では、相手チームの素早いチェイヨーによって敗北し、 2戦目の京大戦では100対60で勝利することができた。豊橋技科大がリーグ内で二勝したためRobohanは予選敗退となったものの、射出に空気圧を採用する独自性などから特別賞の株式会社ナガセ賞を受賞した。
そして、NHK学生ロボコン2024に向けてRobohanは8月から既に動き出している。ABU ロボコン2024の開催地はベトナムで、テーマはベトナムの伝統的な産業である「苗植え」、 ルールは「HARVEST DAY」だ。手動か自動か選択可能なロボット1と、自動操縦のロボット2の二台を制作する。ロボット1は苗に見立てたパイプを運び、ロボット2は籾に見立てたボールを投射する。籾の中には色の異なる空籾が存在するため、自動で動くロボット 2は、センサを用いた色認識や相手の機体の動きに合わせた動作が必要となる。戦略を含め、去年とは違った難しさのあるルールだ。(ABU2024ルール紹介動画 https://youtu.be/x36ZeLv1z2I)
Robohanではロボットを作成する際、
・機体の設計・加工・組み立てを行う機構班
・回路の設計・実装(はんだ付け)を行う回路班
・プログラムを書きロボットを動かす制御班
の3班で製作する。
そこで今回は NHKロボコン2024に向けて活動をしている各班長の坂本さん(工学部2年、機構長兼現リーダー)、松本さん(工学部2年、制御長)、古田さん(工学部2年、回路長)にお話を伺った。
・機体の設計・加工・組み立てを行う機構班
・回路の設計・実装(はんだ付け)を行う回路班
・プログラムを書きロボットを動かす制御班
の3班で製作する。
そこで今回は NHKロボコン2024に向けて活動をしている各班長の坂本さん(工学部2年、機構長兼現リーダー)、松本さん(工学部2年、制御長)、古田さん(工学部2年、回路長)にお話を伺った。
Q:ロボコンに興味を持ち、Robohanに入ることになったきっかけは何ですか?
坂本さん:小さい頃からよくロボコンを観戦していて、そのときから、こういったロボコンの世界や物作りの世界に魅力を感じていたことです。
松本さん:私がロボコンに興味を持ったのは、小学生の頃に父親と観ていた機動戦士ガンダムというアニメでした。そこから大きくなったら自分の手でロボットを作ってみたいと感じるようになったことです。
古田さん:サークルオリエンテーションで運命的な出会いをしてロボハンに参加することを決断しました。
Q:ご自身がリーダーを務める班の魅力は何でしょうか?
坂本さん:機構班は主な仕事に「設計」「加工」「組立」の3つがあります。これはロボットに限らず、あらゆるものづくりで基本となるプロセスです。機構班ではそういったスキルを身につける活動ができます。また、自分で考えた機構が目の前で実際に動いてくれたときの感動や達成感は非常に大きなもので、やりがいのある活動だと思います。
松本さん:制御班は主にロボットの脳みそに当たるとても重要なプログラミングの部分を担当しています。なかなか普段の生活では触れることのないパソコンの深い知識や、画像認識、自動運転などハイテクな技術に触れるいい機会を得ることができます。
古田さん:回路班では実際に回路を組み、場合によっては低レイヤー(パソコンで言うOSの立ち位置のこと)の制御も行います。回路だけでなく、信号処理や通信方式などへの理解も深まる点が魅力です。個人では作れないものをチームで製作するので規模の大きいものを作ることができ、とても面白いです。
Q:最後にNHKロボコンの意気込みをお願いします。
Robohanは過去12度に渡って本戦へ出場を果たし、いくつもの特別賞も獲得しています。そんな偉大な先輩方に続けるように今年度も頑張っていきます!ロボコンでの勝利はもちろん、見ていてわくわくするようなロボット製作を目指していきたいと思っているので、応援よろしくお願いします!
Robohanは今年も優勝を目指し、日々製作に励んでいる。ぜひRobohanを応援し、皆さんもロボコンを楽しんでほしい。
★今後の公演予定★
関西春ロボコン2024 2024年3月7日・8日
東海地区交流ロボコン2024 2024 年 9月
NHKロボコン2024 2024年 6 月 9 日
東海地区交流ロボコン2024 2024 年 9月
NHKロボコン2024 2024年 6 月 9 日
「Handai Sketch」では、大阪大学の文化系クラブの活動や演奏会、展覧会等での受賞など、学生の皆さんの活躍を配信中!日々奮闘する部員の部活にかける想いや努力の成果をお届けします♪