「ものづくりは、世界を変えていける」「 たくさんの人を笑顔にしたい」。そんな心意気で、さまざまな角度から「ものづくり」にかかわり、自ら生み出し、自分の歩む道を果敢に切り拓いている阪大生がいます。工学部3回生(取材時は2回生)の成富真さん。日本のものづくりの中心地である大阪の町工場から出る廃材·端材をアップサイクルした商品の企画·開発にチャレンジしたり、企業と連携して大阪·関西万博での出展を目指したりと、成富さんの活動はキャンパスを飛び出して社会にもフィールドが広がっています。成富さんが感じるものづくりの可能性や、おもしろさとは。目指している姿とは。次々にアクションする彼女の考動力にせまります。
プロフィール
成富 真(なるとみ まこと)大阪大学工学部応用自然科学科 物理工学科目3回生。中学生の時に、シリコンバレー派遣研修に参加したことをきっかけにイノベーションの持つ可能性を実感し、社会課題に対してものづくりやテクノロジーのちからで多くの人を笑顔にしたいという志を抱き、工学の分野へ。大阪大学発の端材アップサイクルプロジェクト「HAZAITHON」(ハザイソン)に参加し、現在は学生チームの代表として活躍。プロジェクト内で大手メーカーと連携し、2025大阪・関西万博でのパビリオン出展を目指し、工場から排出される端材に新たな価値を付加した制作物の開発に取り組んでいる。
端材から照明ができる…!?万博を見据えて、パナソニックと共創。
取材班がやってきたのは、吹田キャンパス内にある「大阪大学Innovators’ Club(i-Club)」のワークスペース。ここでまさに今、端材をテーマにしたアップサイクルプロジェクトに成富さんが取り組んでいるそうで…
― こんにちは〜、今日はよろしくお願いします。早速ですが、ここでものづくりに励んでいると聞いたのですが…?
こんにちは~!そうなんです。実は明日、初回プレゼンがあってその企画書を作っているところでして。
― 明日!?重要な時期に、取材を受けていただきありがとうございます。どんな企画なのか、教えてもらえますか?
「HAZAITHON(ハザイソン)」といって、工場から出る端材や不良品に着目して、学生のアイデアとクリエイターさんのデザインの力を加えることで価値のある新しい商品に生まれ変わらせるという大阪大学発のプログラムに参加しています。私は2023年のプログラムにも参加していたんですけど、今年はパナソニックさんと連携して、2025年に開催される大阪·関西万博での出展を目指して商品の企画や開発にチャレンジしています。
― パナソニック!?万博!?取材スタートして早々、お話されるキーワードがビッグで驚きました…(笑)
私も、得難い経験をさせてもらっているなと思います。パナソニックさんが大阪·関西万博で「ノモの国」というコンセプトのパビリオンを出展されるんですが、ものづくりの製造過程で生まれた端材を活用した商品を発表しようと、企画を練っているところです。それで、明日がプロジェクトチームの皆さんに向けた第1回目のプレゼンなんですよね。
― おお〜。どんな企画を考えているんですか?
大阪にある金属加工会社さんの工場から出た端材と、パナソニックさんが出展する万博のパビリオンの建設過程で出る端材を組み合わせて、照明を作れないかと考えています。今はその3Dモデルを作成しているところです。
― 端材で照明を…?どうやってアイデアが浮かんできたんですか?
この企画を考えるまでに、パナソニックさんの工場を見学させてもらったり、担当者の方とディスカッションさせてもらったり、実際にパビリオンの建設現場を見学させていただいたりと、アイデアの種になる話や知識をインプットすることができました。それで、端材を手に取って、遊びながら「何がつくれるかな~?」って考えて。人によっては、コンセプトを策定してからカタチに落とし込んでいくケースもありますが、私は端材をさわったり動かしたりしながらカタチをつくってみて、後からコンセプトを考えています。この照明は、端材をさわっているうちに「立体物にできそうだな~」と思い浮かんで、端材そのものも透ける質感だったので「照明にできそう!」と思いました。
― それを、明日プレゼンするんですね。
はい(笑)。
― 商品のこだわりや、アピールポイントって何かあったりしますか?
私が意識しているのは、「新たな端材を出さない」ということ。端材を使ってものづくりをしているのに、その過程でまた端材が出てしまうと、それは本質的な課題解決や提案にはならないと思っていて。あと、端材じゃない部品や素材をわざわざ購入してものづくりをするのも、控えるようにしています。目指しているのは、「端材のみでつくった、端材を出さない商品」。明日、どんな反応をされるかドキドキです…!
コンセプト立案、企画、プロトタイプの制作、販売まで経験。
― 成富さんのものづくりに向き合う姿勢に、プロ意識を感じました。ちなみに、昨年(2023年)も「ハザイソン」に参加されたということですが、どんなものをつくったんですか?
「IRODORI +(イロドリプラス)」という商品をつくりました。
― カラフルでかわいいですね!これは一体…?
大阪にある町工場さんから出るバネの端材を使った一輪挿しです。商品名にもなっているように、空間に彩りを与えて、そこで過ごす人にちょっとした安らぎを与えたり、笑顔になれるきっかけをつくりたいという想いを込めています。
― バネが一輪挿しになるとは。ユニークなアイデアですね!
これも、バネをさわったり遊んだりしながら企画を考えたんです。初めは、一輪挿しではなく、傘についた雨の雫をとるアイテムがつくれそうだなと思ったんですけどね。
バネを丸めたりして遊んでいたら、「バネに傘を立てかけられそうだな」と思いついて、「じゃあ、傘立てをつくろう」と考えたんですけど、それではおもしろくないなって。そこに機能性をもたせるとしたら…「あ!傘についた雫が絞れるぞ!」って気づいて。この丸めたバネの中に傘を出し入れすると、バネが雫を絡め取ってくれるという仕組みです。
― ほお〜。ありそうでなかったアイデアですね。でも、最終的にはボツ案になっちゃったんですね。
傘の重みで倒れてしまうなと。その解決策として、植木鉢にこのアイテムを刺して使えば、傘の水滴も取れるし、植物に水やりもできて一石二鳥だと思ったんですが、植木鉢がないと成立しない商品というのもどうだろうと思い、別のアイデアを考えることにしました。
そこで誕生したのが「IRODORI +(イロドリプラス)」だったんですね。
はい。これは見たまんま、バネを塗装しただけのものなので、新しい端材が出ることもありません。こんなふうにお花を挿してみたり、ペン立てとしても使えます。
― 商品はシンプルながらも、使い方が多彩に広がっているアイテムですね。
これをつくった時に、ワーキングスペースを運営している方から「IRODORI +」を購入したいとお声がけをいただいて、納品した実績もあります。
― アイデアをカタチにしただけでもすごいのに、販売実績もあるとは…!
ものが完成するまで主導で動いたのは私自身なのですが、その過程において多方面からサポートいただいたおかげで、実を結んだのだと感謝しています。「大阪大学Innovators’ Club(i-Club)」の先生方からは、ものづくりに打ち込める作業スペースやツール提供の面で制作を後押しいただき、プロジェクトに参画されているクリエイターの皆さんからは、ブランドづくりの考え方や、商品の安全性・使いやすさについてのアドバイスをいただいて。自分のアイデアに自信がない時には、方向性を示していただいたりもして、最後までめげずに商品づくりに向き合うことができました。また、町工場の社長さんからは、商品づくりに向き合ううえでの大切な姿勢や誠意について教えていただきました。
さらにこのアイデアを「i-Club」内でプレゼンしたところ、評価をいただいて10万円のプロトタイプ制作予算をいただくことができました。プロトタイプの制作から、商品の実制作、販売までやり遂げる上で、こうした大学からの経済的な支援も心強かったです。
シリコンバレーで感じた世界の広さと、ものづくりの可能性。
― そもそも、成富さんがものづくりに興味を持ったきっかけや背景を教えてもらえますか?
中学生の頃に話が遡るんですけど…。きっかけは、アメリカのシリコンバレーに行ったこと。私は東京の渋谷区出身で、シリコンバレーでの研修プログラムを自治体が行っていたんですね。それに私も応募して、現地に行ったんですよ。そこで、いわゆる「GAFAM」と呼ばれるような世界をリードする企業のオフィスを見学したり、起業家の方の取り組みや生き方について話を聞かせていただいたり。スタンフォード大学で講義を受けたり、学生さんと一緒にワークショップをしたり。そうした経験の中で、「世界を変えたり、動かしたりするのは、ものづくりなんだな」って中学生ながらに思ったんです。
― 成富さんの人生に大きな影響を与えた原体験なんですね。
そうですね。「ものづくり」や「イノベーション」というキーワードが自分の中に生まれたのも、シリコンバレーでの経験によるものですね。
社会課題は、他人事じゃない。自分にできることは何だろう?
― ちなみに、研修に参加された理由や背景って何かあったんでしょうか。
当時はうまく言語化できていなかったんですけど、今思い返すと「多くの人の力になりたい」という気持ちに後押しされたのかなって。
― 「多くの人の力になりたい」気持ち。もう一歩踏み込んで、当時の想いやお考えをお話しいただけますか?
起業家になりたいとか、イノベーターになりたいとか、そういう気持ちは全くなくて。ただ、テレビのニュースで流れてくる世界の貧困問題やさまざまな社会課題に、当事者意識を抱いていたんです。「これは他人事じゃない。私にできることは何だろう」って。そのためには、人としても、技術面でも、経済的にも、成長しなきゃいけない。自分を次のステージへ押し進めてくれる環境に身を投じたいと思い、参加しました。
― 素晴らしい志ですね。でも、お話しいただいた世界的な貧困や社会課題って、多くの人にとってはどこか他人事だと感じたり、なかなか自分との接点を持ちづらかったりすると思うんですよね。どうして、成富さんは当事者意識を持てたんでしょうか?
おそらく、それまでに所属していた合唱団やダンスチームでのリーダー経験が活かされているんだろうと思います。リーダーを経験させてもらった時に、メンバーの一人ひとりが私と同じ人間であり、それぞれに異なる個性を持っているということに気づいたんです。当たり前のことだけど、みんな同じ人間で、みんな個性が違う。そうした視点で世界に目を向けた時に、国や人種が違うだけで、私と同じ人間なのに、どうしてこんなにも苦しい想いをしている人が世界にはたくさんいるんだろうって、理不尽に感じて。すごく悔しかったんです。世界に対しても、自分に対しても。
― 悔しい、と思ったのはどうしてでしょう?
何かしたい、力になりたいのに、何もできないという自分のちっぽけさを実感したからでしょうか。
― 無力感、みたいな。
でも私が諦めることなく、そのテーマに立ち向かう勇気をどうして持てたかというと、「1秒1秒を変えたら、いつかは辿り着く」という信念を持っていたからなのかなって。先ほどお話ししたリーダーを経験する中で、1秒1秒の小さな変化の積み重ねが、大きな変化や成長として実を結ぶと学んだんです。
万博に関わりたい。その気持ちで東京を離れ、大阪へ。
― 「多くの人の力になりたい」という気持ち。そして、シリコンバレーで感じた「ものづくりやイノベーションの可能性」が結びついて、今の成富さんにつながっているんだなと、お話を聞いていて感じました。
そうですね。ちょっと話が脱線するかもしれませんが、実は、もともとは世界的なダンサーになりたいと思っていたんですよ。
― 世界的なダンサー!?
はい。シリコンバレーに行く前まで、世界で活躍するダンサーを本気で目指していたんです。「ダンスで、多くの人を笑顔にしたい」。それが、かつての私の夢でした。所属していたダンスチームではセンターになったりもしていて、合唱団を辞めてダンスに専念するくらい本気だったんです。でも、親からダンスよりも勉強に力を入れるようにと促されて、ダンサーの夢は断念。ダンスで人を笑顔にする夢は叶わなくなってしまったけど、より広く、社会的に影響力のある人になりたい。そんな活動をしていきたい。そうした想いが、自分をシリコンバレーへと連れて行ってくれたようにも思います。
― そういえば、成富さんは東京出身なんですよね。なぜ阪大へ…?
その理由は明確で、ひとつは、一人暮らしをしたかったということ。ふたつ目は、万博に関わってみたいというのが大きな理由です。
― 万博が、進路選択に影響を与えていたんですか?
万博って、新しいテクノロジーや、新しいものを生み出そうとチャレンジしている人が一堂に会する場ですよね。世界的にインパクトのあるイベントの近くに身を置いていたら、自分も万博に関わるきっかけを掴めたり、何か得られるものがあるだろうと思って、その開催エリアである大阪の大学に行きたいという気持ちで阪大を選びました。
社会や、世界をより多角的に捉えられるように。
― 万博に関わってみたいという想い、「HAZAITHON」によって実現されたんですね!
そうなんです!もう、すごくワクワクしています。このプロジェクトを通して出会った人たちとお互いを高め合うことができたり、商品をつくる過程で出会った町工場の社長さんや、デザイナーさん、名だたる企業の方たちと意見交換したりと、普段の学校生活では出会うことのないような人たちと関わることができて、自分の視野が広がっているのを感じています。それと同時に、新しい社会の課題や問題点も見えてきて。例えば、人材不足の現実を工場で感じたり、世の中で言われているデジタル化やDXが必ずしも正しいわけではないんだと、経営者の方の話を聞いて考えたり。その一方で、DXの必要性を感じる場面もあったりと、新しい視点で社会を捉えることができて、自分の世界が広がっていくのがとてもおもしろいです。
― かつて、シリコンバレーで感じた「ものづくり」や「イノベーション」の可能性を、自ら生み出す側になってみて感じる手応えは何かありますか?
成果物をお披露目した時に、「コンセプトに共感した」とか「使ってみたい」とか、興味を持ってくださるのも嬉しいですし、実際に商品を使ってくださった方が「よかったよ」と言ってくださりして、反響があるのもとても嬉しいです。こうした経験を大学時代に積むことができているのは、すごく価値のあることだなと思います。
大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC)のインターンシップに参加。 ものづくりを支援する投資家の視点を学ぶ。
― 成富さんは現在2回生とのことで、この2年間でものづくりの過程を学ばれたり、つくり手の立場になってものづくりを実践されたりしていますよね。今後のビジョンとしては、そうしたつくり手の道を歩んでいかれるイメージなのでしょうか?
まだぼんやりとしたビジョンなのですが、私がつくり手になるというよりは、つくり手を支援したり、支援を必要としている人の相談に応じたり、マッチングをしたりするような立場になれないかと考えています。というのも、2回生の前期におよそ3ヶ月にわたって、「大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(OUVC)」のインターンシップに参加させていただいて。
※「OUVC」とは···大阪大学を始めとする国立大学の世界屈指の研究成果の社会創出を目指し、投資を通じて大学発の新産業の事業化及び事業支援を行なっている大阪大学の100%出資子会社。
私が抱いている「テクノロジーやものづくりで社会課題にアプローチしたい」という目標に近づくためには、実際に社会で実現されている方々のそばに身を置いてみたいと考えたんです。「OUVC」は、社会課題の解決にむけて研究開発に励んでいる人たちをたくさん支援している組織だと知り、そうした人たちと交流できたらと、インターンシップの参加を希望しました。
― どんなことを経験されたのか教えていただけますか?
特に投資家の方や、大学発ベンチャーの経営層の方にお話を聞かせていただいたことが心に残っています。投資家の方からは、経済性·持続性·成長性があるビジネスでないと投資しづらいというプロの本音を教えていただいたり。また、大学発ベンチャーでは、起業された方や経営層の皆さんのマインドや生き方、ビジョンなどを聞かせていただき、社会課題にアプローチするプレイヤーの方たちのリアルな声にふれることができました。そうした経験を踏まえて、私が「仕事」にしていきたいのは、ものづくりを支援する側なのかなって。
― 今のお話でいくと、投資家サイドということですよね。
そうですね。ものづくりの現場でクリエイティブなことを生み出していきたい気持ちもあるけれど、それは趣味として続けていきながら、「つくってみたい」「はじめてみたい」「やってみたい」と思う人たちを応援する人でありたいなと思います。実際に今も、そうした人たちから相談をいただくことが多々ありまして。学年や立場に関わらず、相談にのったり、人を紹介したり、つないだりしているんです。そういう役割って、目立ちはしないけど、人や社会に良い影響を与えられるだろうなと私は思っていて。社会課題にアプローチしたい、ものづくりに関わりたいという想いは変わらないけど、この2年間で自分の将来像が見えてきたように思います。今は「Google Developer Student Clubs」の大阪大学支部の代表をしていて、この組織のマネジメントと、プロジェクトの支援、イベント運営を行っています。アプリ開発やweb開発、AIやVR,ARでものづくりをするプロジェクトを立ち上げ、実際にインパクトを残せるように関わっています。
リスクや苦労を考えるよりも、理想や達成感をイメージして。
― これまでお話をうかがってきて、成富さんは成長できるチャンスを自ら掴み、努力を惜しまない人なんだと感じました。成富さんを前へ、前へと動かし続けている原動力やモチベーションって何なのでしょうか?
「自分が変わったな」って思えるのがすごく嬉しいんです。自分が頑張るほど、活動するほどに、次のステージへ進んでいく感覚が楽しくて。
― でもその道のりは、決して楽しいことばかりではないですよね。変化や成長には、苦労も伴うと思うのですが、成富さんにとってそれはハードルだと感じていないんでしょうか。
そうですね。成長の過程で味わう苦労やリスク、ハードルを想像するよりも、理想の姿や、成長できた時の達成感をイメージしたりと、「やってよかったと思う時が必ずくる」と信じる。
― リスクばかり考えていたら、踏み出そうにも踏み出せなくなっちゃいそうです。
そうなんですよね。「自分が成長できる環境」って、3つの要素があると思っていて。まずは、自分を成長させてくれる環境に身を置くこと。ある意味、強制的にやらなきゃいけない状態をつくるんです。ふたつ目は、自分のまわりに教えてくれる人がいるということ。最後に、自分についてきてくれる人がいるということです。例えば、私が過去にリーダーを務めていた時も、自分についてきてくれる人がいて、リーダーのあり方について教えてくれる人がいて、自分がリーダーになることで成長できる環境をつくっていたんです。
― なるほど、その条件は成富さん以外の人にも当てはまりそうですね。先ほど、成富さんの将来像として、「つくってみたい」「はじめてみたい」「やってみたい」と思う人たちを応援する人でありたいとお話いただきましたが、直近の目標は何でしょうか?
社会課題にアプローチとか、イノベーションとか、多くの人に影響を与える…みたいな、大きいことを掲げて話してきたんですけど。でも今は、目の前にいる人に何か与えられる人になりたいです。あと、留学に行きたいですね。どこの国にするかとか、具体的なことは決まってないんですけど、留学は絶対行きたいなと思います。
― 留学、ですか。
今は、国内の社会課題に目を向けているんですけど、留学することでより広い社会に、世界に視野を広げていけるんじゃないかなって。いろんな価値観を持つ人と出会って、話をして、学んで、自分をまた次のステージへと押し上げていきたいです。
やってみたいこと、考えていることを、口に出してみよう!
― 最後に、阪大生の皆さんへメッセージをお願いします。
もし目の前に、一歩踏み出したいと思っているけど悩んでいる阪大生がいるとしたら、「思っていることや考えていること、描いていることを口に出してみて」って伝えたいです。阪大生って、勉強熱心な人が多いなと思うんですけど、それって何かを達成したり、成し遂げたい気持ちがあるからではないでしょうか。でもそうした想いを、口に出す人は多くない。これは私の考えなんですが、経験したことや功績ももちろん大事だけど、でもそれよりは、その人の心の中にあるモチベーションや原石があるかどうかが重要で。行動も大事だけど、そもそもその人の意志があるのか。それは何なのか。それを口に出してみると良いんじゃないかと思います。
― 最初は踏み出せなくても良いから、まずは自分の想いや意志を言葉にしてみようということでしょうか。
そうですね。私だって、大学に入学して活動し始めて、まだ1年半くらいなんです。でも、意志があったから大学内外に活動が広がって、今があるんですよね。私もはじめは、「世界で困っている人の役に立ちたい」っていう気持ちはあっても、それを本当に実現できるかどうかなんて分かりませんでした。でも、「自分はイノベーションが好き」とか「多くの人の力になりたい」って口に出していたら、気持ちを後押ししてくれる人や場と出会えたりつながったりして、自分の目標や理想に対する解像度もどんどん上がってきて。
― 成富さんも、自分の想いや考えを口に出すことから始めたんですね。
もし、自分が何をしたいのか、どうしたいのか。意志が分からないという人は、大学という環境を大いに活用して、自分の意志を固めるステップにしてほしいです。その意志が育まれたら、どこへでも、どんなふうにも、芽を伸ばしていけるから。1秒1秒の積み重ねが、大きな成長や変化に結びつくと思うので、まずは小さな一歩として、言葉にすることをやってみてください。
「mappa!」とは、多方面で活躍する阪大の卒業生やアクティブな在学生の生き方を丸裸にするインタビュー企画!
読者の皆様に「阪大の卒業生や在学生にこんな凄い(おもしろい)生き方をしている人がいるんだ」「こんな生き方があるんだ」と感じてもらえるような記事をお届けしています!次回もお楽しみに♪
前回のmappa!記事はこちら
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