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「再履バス」を愛し、「再履バス」を知り尽くした者たち。『再履バス同好会』の素顔にせまる!

2019.02.18
 😳mappa!
阪大生なら誰もが知っているであろう「学内連絡バス」。通称、再履バスと呼ばれるそのバスを、愛してやまない阪大生がいます。その名も、『再履バス同好会』。バスの時刻表や運行情報をツイッターで発信し、彼らの活動にお世話になっている阪大生もきっと多いはず。しかし、メンバー数も、活動内容も、多くは謎に包まれたまま…。今回は、『再履バス同好会』のメンバーに取材!発足のきっかけや、活動内容、再履バスの魅力、今後の展望など、彼らの裏側にせまります。最後には、素顔も…!?

『再履バス同好会』
●ツイッター
@sairi_doukoukai
●ホームページ
https://sairibus.wordpress.com/

「再履バスに乗りたくて、阪大を志望したんです。」
再履バスへの愛が、1号さんの人生を変えた。

— 今日はお会いできるのを楽しみにしていました。みなさんの謎をどんどん明かしていこうと思いますので(笑)、どうぞよろしくお願いいたします。
1号さん/2号さん:よろしくお願いいたします。
右が1号さん、左が2号さん。
— 早速なんですが、メンバーはおふたり…ですか?
1号さん:はい、2名です。本当は3名いるんですが、1人は留学中でして。僕と2号さんの2人で活動しています。
— ツイッターを拝見したのですが、あれだけの情報を発信していてメンバーがたった2人とは驚きでした。同好会はいつから活動されているんですか?
1号さん:僕が『再履バス同好会』の発起人なんですが、同好会を立ち上げたのは2017年の6月。僕が阪大に入学してすぐの時期ですね。
— あなたが発起人だったんですね!あの『再履バス同好会』のリーダーにお会いできてうれしいです(笑)。同好会を立ち上げた理由って何ですか?
1号さん:「再履バスに関する研究や活動をしていきたい」「バス好きの人とつながりたい」という想いからです。僕は、もともとバス好きでして。6歳頃から、地元を走っている阪急バスを撮りに行っていたくらいのバスマニアで、入学前から再履バスのことも知っていたんです。当時は『再履バス』ではなく『学舎間連絡バス』と呼んでいましたけどね(笑)。実はバスマニアの間では、阪大の再履バスって有名なんですよ!阪急バスが運行しているんですけど、「阪大で阪急バスが走っているらしいぞ!」ってブログやツイッターでとても話題になっていて、僕自身も入学前から興味があったんです。
バスの種類によって、顔立ちやドアの開閉音、つり革の色が違うらしい。再履バスに乗る方は、ぜひチェックしてみては?
— なるほど!もともとバス好きだったんですね。それに、再履バスがバスマニアの人たちの間でも有名だったとは…マニアが噂するほど、再履バスには魅力があるんですね。
1号さん:とにかく、再履バスの情報が何ひとつないんですよ。謎に満ちたバスだからこそ、みんな気になるんでしょうね。阪大生にならないことには乗れないし。だから、再履バスに乗りたいというのが、阪大を志望した理由のひとつでした(笑)。
— ええ、志望動機にもなっちゃうくらい!?1号さんのバス愛を感じます!そしてお隣の2号さんからも、バス好きのオーラを感じますが…いつ同好会に参加されたんですか?
2号さん:僕が同好会に参加したのは2018年の6月から。だから、同好会が発足して1年経ったころですね。僕は乗り物全般が好きで、特に鉄道マニアなんですよ(笑)。それにバスにも興味があって、『再履バス同好会』の存在は知っていました。ツイッターで情報発信しているのを見て、「僕も参加してみたいな」と。すぐにメンバーになっても良かったんですけど、しばらくは僕ひとりでバスの乗車率を計算しては、個人のツイッターで発信していたんです。『再履バス同好会』の人が気づいてくれないかな〜って思いながら(笑)。まあ、最終的には僕からDMを送ってメンバーになりたいと言ったんですけどね。

1号さん:それでか〜!僕もね、ツイッターでたまに『再履バス』で検索をしていたんですよ。そしたら、乗車率のことをまめに発信している人がいて、気になっていたんですよね。2号さんが参加してくれて本当によかった。

学生にも役立つ情報と、マニアの欲を満たす活動と。
阪大生にも馴染みのある“アレ”が登場!

— 発足の経緯を伺ったところで、活動内容を教えてもらえますか?
1号さん:大きくは、「時刻表の作成」「乗車率と遅延情報の調査と発信」「再履バスの歴史研究」「再履バス2021年問題」の4つです。阪大生のみなさんにとっても役に立つような情報発信と、バスマニアとしての欲を満たすための調査活動と、大きく2軸で活動しています。特に、阪大生のみなさんの日常にも関わりがあるのは「時刻表の作成」と「乗車率と遅延情報の調査・発信」ではないでしょうか。
— 過去・現在・未来と、幅広く活動されているんですね〜。具体的に教えてもらえますか?
1号さん:「時刻表の作成」に関しては、見たことがある方も多いのではないかと思うのですが…こちらですね。
『再履バス同好会』が作成した時刻表。他のバス停のものもツイッターのアカウントで掲載されています。
— すごい!オリジナルで時刻表を作成されているんですね。でも、阪大のホームページにも時刻表って掲載されてますよね?
1号さん:あるんですが、ちょっと見づらいんですよね。急いでいるときは特に、バスの発車時刻をすぐ知りたいと思うのですが、ちょっと分かりづらい。だから僕たちの時刻表では、見やすくて、さらに覚えやすい表を心がけました。ちなみにこれは完成形ではなくて、今でも阪大の先生にアドバイスをいただきながら、より見やすく改良を加えているところです。
— 使う人にとことんやさしい時刻表ですね!でも、作るの大変じゃなかったですか?
1号さん:これは同好会を立ち上げた1年目に1人で作ったものなんですけど、ホームページの情報を見ながらアレンジをしただけなのでそんなに。2号さんも時刻表を作っているんですよ。

2号さん:僕が作ったのはこれですね。完全にマニア向けの時刻表です。
1号さんの時刻表とは見た目も大違い!バスの1日の動きが細かく書かれています。


— これはすごい!!素人には、ちょっと難しい時刻表ですね…
2号さん:僕は利用者目線ではなく、完全に自己満足として時刻表を作りました。再履バスは普段、7台のバスを使って運行しているんですけど、それぞれが朝に車庫を出発してから戻ってくるまでの1日の経路と時刻をまとめたデータです。再履バスの写真を撮りたいというときは、この時刻表を見ればOK。何時にどこに行けば、何号のバスを撮れるのかが一発で分かります。バスのシフト表みたいなものですね。
— バスマニアにはたまらない情報ですよね!これはどうやって作ったんですか?
2号さん:自らバス停に足を運んで目視で確認したり、バスの整理員さんが使っている時刻表を参考にしながら作りました。鉄道マニアの友人に見せたら、見やすい!って好評でしたよ(笑)。

1号さん:次に「乗車率と遅延情報の調査・発信」についてですが、こんな投稿を見たことないでしょうか?
1号さん:僕と2号さんで手分けをして、バスの乗車率や遅延情報を調べては、こうしてツイッターで発信しています。2018年の4月から調べ始めまして、統計グラフにもまとめました。
豊中図書館前にて集計した「バスの乗車人数と遅延傾向」のグラフ。
1号さん:グラフを見ると、4・5限終わりに発車するバスは混みますが、その間はわりと空いていることが分かります。「再履バスは常に混んでいる」という声を聞くことがあるのですが、ちょっと時間をずらせば空いているバスもあるんです。
— これは、学生にとっても本当に役立つ情報ですよね。こんなたくさんのデータ、どうやって集めているんですか?
1号さん:僕と2号さんも学生なので、もちろん授業があります。そのすきま時間や、自分もバスに乗るときに乗車人数を数えたり、遅延しているときは何号のバスが遅れているのかを調べて発信しています。

2号さん:僕はメインキャンパスが吹田、1号さんは箕面なので、データを集めるにはちょうど良いんです。どのキャンパスもまんべんなく調査できます。

「好きだから、苦じゃない。活動を辞めるときは、再履バスに興味がなくなったときです」。

— データを集めたり、ツイッターで発信したり、時刻表を作ったり。授業にも出ながら活動を続けるのは大変なようにも思うのですが、同好会を辞めようと思ったことはないのですか?
2号さん:興味があって、好きでやっているので苦じゃないですよ。もともと僕は、データを集めるのが好きなんです。データを蓄積して、集計して、形にする。数字そのものに意味はなくても、データが蓄積されていくのが嬉しいんですよね。

1号さん:僕も、もとは完全な趣味なので、辞めたいと思ったことはないですね。活動をやめるときは、再履バスに興味がなくなったときではないでしょうか。そうでない限りは、この活動を続けていくつもりです。もし忙しくなってデータをとれなくなっても、同好会を消すことはないと思います。

2号さん:もちろん、誰かの役に立てたらうれしい気持ちもあるけど、僕は基本的なスタンスが「自己満足」なんで、特にしんどさや義務感を持ったこともありません。個人的な興味で、夏も冬も、バスの乗車人数を集計しています。
— 興味があるから、好きだから、続けられる。バスマニアの強い信念を感じます!

「再履バス同好会ありがとう。」
阪大生から届いた、感謝のことば。

— 活動していて良かったなと思う瞬間やできごとってありますか?
1号さん:時刻表を使っていただいている人が多いのはうれしいですね。先日、再履バスに乗っているときに、斜め前の人のスマホ画面がちらっと見えたんです。そこには、自分たちが作った時刻表が映っていて。顔も名前も知らない、直接つながりのない人でも、時刻表を使ってくれているのはうれしかったですね〜!


2号さん:2018年って、天災が多かったじゃないですか。豪雨に、地震。僕は、夏の豪雨のときに、ちょうど大学に行っていたんです。そしたら、バスが遅延していることを知って。これは僕が遅延情報を発信しないと、他に誰も発信する人がいないと思い、雨の中ずっと情報を発信し続けました。後日ツイッターを見返すと、「再履バス同好会ありがとう」「再履バス同好会いいね」っていうコメントが着ていて。やっていて良かったな〜とやりがいを感じました。
— 素晴らしい!情報発信を続けていれば、誰かに届くんですね。ちなみに、活動している中で知った再履バスの魅力って何でしょうか?
2号さん:先ほどもお話したとおり、2018年は災害の多い一年でした。でもそんな中、再履バスが運行していたのには感動しました!電車もモノレールも止まっている中、再履バスは動いている。阪大生にとって心強い、頼りになる存在だと思いました。

1号さん:たしかに、再履バスが運行していたのは、私たち同好会にとっても誇れるできごとです。再履バスは、阪大関係者にとっての交通手段のひとつであり、阪大坂や天津麻婆丼に並ぶ阪大の文化の一つだと思います。阪大生にとって、無くてはならない存在。だからもっと、阪大生のみなさんにも再履バスに興味を持ってもらえたらうれしいなと思います。

『再履バス同好会』の中の人、素顔を公開!

— では『再履バス同好会』の活動を語っていただいたところで、おふたりの素顔にせまっていきたいんですけども…。お名前と学部を教えてもらえますか?
1号さん:1号こと、夏目です。外国学部の2回生で、英語を専攻しています。朝から晩まで英語漬けで、今は課題に追われています…(涙)

2号さん:2号こと、風間です。工学部2回生で、力学や構造、統計学などを学んでいます。
こちらが『再履バス同好会』のおふたりです。右が「1号」こと夏目さん、左が「2号」こと風間さん。
1号(夏目)さん:ちなみに僕らは『再履バス同好会』ですが、「再履修」になったことはないですよ(笑)。

2号(風間)さん:『再履修同好会』ではない(笑)。
— こんなにいろいろと活動されながら、学業とも両立されているんですね。どうやったら両立できるんですか?
1号(夏目)さん:僕は勉学が最優先。課題があるときはバスの調査もしていません。まずは勉強をしっかりとしてから、時間があるときに好きなことをする。これ僕のポリシーです。だから今は課題ばかりで、バスの調査ができていないんです…(涙)。

2号(風間)さん:僕も勉強をおろそかにせずに、すきま時間を見つけてこつこつとバスの調査をしています。僕は課題が終わったからね(笑)。それと僕は、鉄道研究会にも所属しています。

1号(夏目)さん:僕もこの夏から、トイレ研究会に参加しました。好きなことをする時間と、やるべきことをやる時間を分けて、メリハリをつけること。これが、好きなことを楽しみながら長く続けるコツだと思います。
— なるほど、おふたりからの学びが多いです(笑)。ところで、バス好きのおふたりは、やっぱり将来もバスや乗り物関係の仕事をめざしていらっしゃるんですか?
1号(夏目)さん:いえ、バスはあくまでも趣味ですね。僕は研究することが好きなので、将来は言語学の研究職をめざしています。

2号(風間)さん:僕も同じで、バスは趣味です。まずは大学院に進学しようと思っています。阪大の院に進学すれば、少なくともあと4年は再履バスの調査ができますね(笑)。

1号(夏目)さん:僕も院進学を考えてるけど、同好会のメンバーを増やしたいですね〜…。

バスが好き。調べることが好き。乗車センサーが作れる。
『再履バス同好会』はそんな方を待っています。

— 『再履バス同好会』の今後の展望を教えてもらえますか?
1号(夏目)さん:蓄積してきたデータを、バスダイヤの改正に役立てたいと思っています。混雑している時間帯とそうでないときがあるので、輸送効率を高められるようなダイヤを作って、阪大や阪急バスに提案する予定です。また、2021年の箕面新キャンパスオープンに伴って、再履バスをどう走らせるのかが今問題になっていると聞きました。解決の糸口を見いだせるような取り組みもしていきたいです。

2号(風間)さん:そのためにも、まずはもっとデータを集めないといけません。僕と夏目さんだけでは、集められるデータにも限界があって…。一緒にデータを集めてくれる仲間がいれくれたらうれしいです。

1号(夏目)さん:そうですね、メンバーは大募集中です!ちなみに、バス停にセンサーを設置して、自動で乗車人数を数えるシステムを作りたいとも思っているのですが、僕の力では不可能です(笑)。一緒に活動してくださる方、お手伝いしてくださる方、興味のある方、お気軽にツイッターへご連絡ください!もしくは、「再履バス」についてつぶやいている方を、フォロー&スカウトさせていただきます〜!
 

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